健美膳について
「自然のちからで、体の中からキレイになろう!」
食べることは、食材の持つ生命力を体内に取り込むことでもあります。
それなら、その力が最もみなぎる旬の食材を!そして、栄養はなるべく食材から
取りたいもの。
「健美膳」は、食べ物の持つ力(自然の力)を活かして、健康的に、美味しくたべることをモットーにしたお料理の会です。
体に嬉しいごはんをいただきましょう!
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グローバル化した現代の暮らし。世界各地のいろいろな民族のいろいろな食材、料理、調理法が取り入れられ、日本の食卓も随分と彩り豊かになりました。
世界中のあらゆる食べ物が容易に手に入るようになったことは、とても楽しいこと。
でも、そのことは同時に、私達に新たな課題をつきつけてきたようにも思えます。
豊富な食材は、季節感をかすめ、健康や食材の情報は情報過多。選択肢過多の中、自分に合った健康的な食生活を構築していくことが難しくなっています。
そんな中、温故知新の知恵が詰まった薬膳のコンセプト*は、食べ物について、食文化について、体について、健康について理解し、賢く食べることへの、道しるべのひとつ。
薬膳の学びが、便利さの中でかすみがちな「元気に生きる知恵」を見直す機会になればと思っています。
薬膳とは、体内環境を整える知恵
中医学はバランス学。薬膳とは、中医学に基づき貴方の体の状態を分析し、適切な食薬と調理法でもってあなたの体に足りない要素を補ったり、余っている要素を瀉したりして調和させる、いわばテーラーメイドの食事のこと。
寒い日の朝は、緑茶より焙じ茶や紅茶。
簡単にできる内臓ウォームアップです。
冷や奴に、葱生姜、あるいは茗荷に大葉。
お漬け物に、唐辛子。
体を冷やす作用を緩和してくれます。
イライラしたら、やさしい甘味や香りでリラックス。
だらだらしたら、酸味、渋みでキュッと引き締めて。
こんなちょっとしたことも、薬膳的発想です。
難しくなんかありません。
「健美膳」では、こんな薬膳的アプローチを取り入れ、
いろんな地方のお料理やお茶と共にご紹介して参ります。
「料理から考えるな」!?
狭義での薬膳は、「食べる人の”証”(中医学にもとづく診断により見極めた体質や体の状態)に合った料理」のこと。中国の歴代王朝の皇帝に仕える「食医」が、皇帝の健康状態に合わせて作っていた御膳などをルーツとしています。
ですから、まず診断により必要と見なされた食材を考え、その食材で調理するのが正統な発想といえます。
しかしながら、「健美膳」では、文化としての料理をなおざりにしないためにも、お料理のレパートリーを持った上で「この料理はどういう体調や体質の方に適切か?」と発想し、料理技術と共に薬膳を学んで頂きます。
いつもの美味しいお料理を通して、その料理の秘める薬膳的パワーを学んでいくというアプローチは、あなたの料理のレパートリーそのものも広がります。
薬膳事始めの一歩として、より身近に感じて頂けるのではないかと考えます。
そして「料理から考える」
健美膳では、いろんなお料理を薬膳的に検証し、どんな時にたべると薬膳力を発揮してくれるか、または何をプラスαすれば薬膳力が出るかといったことにも着目しながら、お料理を楽しんでいただきます。
その過程で、しばしば美味しく食べる工夫が、バランスを整えることにつながっていたりすることに気付くと、きっと膝を叩きたくなることでしょう!
今や日本の食卓は、和食はもちろん、中華あり、洋食あり、エスニックあり。
文化の彩りと豊かさを、いい形で日々の献立に活かせるよう、食の道案内致します。
蒸し暑い南国のお料理は、日本の梅雨にもピッタリのはず。
砂漠の民のお料理には、乾燥予防のヒントが有るはず。
お味噌汁の具だって、薬膳的にセレクト。
「健美膳」には、当世薬膳をめざし、いろんなお料理が登場します。
「美味しくなければ・・・!」
薬膳は、「美味しい料理であること」が基本です。
「美味しい」と感じることが、体にいい作用をもたらすからです。
楽しい気分で学ぶとどんどん吸収できる子供の勉強みたいに、美味しいと感じると、体が積極的に吸収してくれます。だから美味しいことは、とても大切なのです。
もちろん、ここでいう「美味しい」とは、舌の先にくる刺激的な美味しさのことではなく、きちんとつくられたものの中にある食べ続けられる滋味な美味しさのこと。
日頃から、健全な味覚を養っていたいですね。
健美膳が大切にしていること
◎食べ物のチカラ
どんな食材も、自然が用意してくれたもの。それぞれ何かしらの力(働き)が
託されています。
自然の恩恵にリスペクトをおき、バランスを尊ぶ食の考えが薬膳の基本です。
薬膳は「なんでも食べましょう!」と諭します。
◎食材や料理のルーツ
食材は自然の恵み。その土地で生きるために必要なものが託されている
(身土不二)。
それを人間がいかに扱い "料理” してきたか・・・食を切り口に見えてくる、
世界の歴史や文化背景も覗いてみましょう!
◎スープ、出汁のチカラ
「一物全体」の最もシンプルな形。
飲む点滴のように体に滲みるスープをベースにします。
◎茶飯事=お茶とごはん・・は、最も身近で簡単な養生。
季節に合わせたお茶やドリンクをお茶請けと共にご紹介しています。
◎料理ありき
自然の恵みをどう調理してきたかーー。
料理の発展の過程を辿ると、人間の叡智が見えてきます。
料理の文化を大切にしながら、継続できる美味しさ(滋味な美味しさ)を
目指します。